夢の『マイホーム』を建てたいと思ったとき、住宅のデザインや設備だけにこだわっていませんか?
デザインや設備を調べることは重要ですが、住宅の「基礎」は土地です。
土地を選びをしっかりとおこなわないと、さまざまなトラブルが発生してしまい、何十年も付き合っていかなければいけません。
そこで、本記事では、土地の探し方や選び方を徹底解説して、理想の土地を見つけられるようにアドバイスしていきます。
- 土地を探す前に決めておくことがわかる!
- 土地の基礎知識がわかる!
- 土地を探すための方法がわかる!
- 土地を選ぶためのチェックポイントがわかる!
この記事を書いた人

この記事を書いている僕は、土地探しから新築住宅を建てた、ごく平凡な消防士です。
家づくりをしていくうえでの失敗談や、家づくりにおいての重要ポイントなどを、消防士という職業の経験から、マイホームを検討している方に向けて、優しくお伝えします。
【ステップ1】土地を探す前に条件や用語をチェックする

土地を探すときには、事前に以下の2点をチェックするようにしましょう。
何も決めずに、いきなり土地探しをしてしまうと、多くの時間がかかったり、他の方にいつのまにか購入されてしまうケースがあります。
土地を探す前には、自分や家族がどのような条件を希望しているか、家族会議などをおこない、しっかりと確認しておくことが大切です。
家づくりは、時間と労力を使うので、土地選びでスムーズな対応をするために、必ずチェックするようにしましょう。
ポイント①土地を探す前に条件を絞り優先順位を決める
土地探すときに、特に重要な条件が以下の3点です。
- エリア
- 予算
- マイホームで叶えたいこと
それぞれの項目で、注目するべきポイントは、以下のとおりです。
エリア
- どの地域に住みたいのか
- 通勤・通学はしやすいか
- 商業施設(スーパー、コンビニ、薬局など)は近くにあるか
- 公共施設(学校、役所、病院など)は近くにあるか
- 駅やバス停はあるか
- 台風や地震などの影響で被害がでるエリアではないか
- 土地にかかる費用
- 土地購入時の税金(不動産取得税など)
- 登記費用(所有権移転登記や滅失登記など)
- 広々とした家に住みたい
- 庭でBBQをしたい
- 平屋が建てたい
- テレワークができる部屋が欲しい
- 田舎暮らしがしたい
それぞれの家庭で条件は、違ってくると思いますが、上記のリストを参考に、できるだけ意見を出してみましょう。
次に、どうしても優先したい条件を3個程度に絞っていきます。
あまりにも、理想を求めすぎると土地探しだけに、何年も使ってしまい、いつまでたっても家を建築することができません。
条件を絞りすぎると選択肢が少なくなり、条件に合う土地がない可能性があります。
3個の条件に合致する土地がない場合は、5個の条件にするなど、調整するようにしましょう。
ポイント②土地に関することや用語などを確認する
土地探しをする前には、土地に関することや用語などを確認しておきましょう。
- 坪単価
- 土地面積・坪数
- 建築条件
- 建ぺい率
- 容積率
- 設備
- 接道状況
- 都市計画
- 用途区域
- 地目
土地に関する知識が少ないと、土地選びで失敗するおそれや、不動産会社やハウスメーカーが紹介してくる粗悪な物件を見抜くことができなといったデメリットがあります。
聞いたことがない用語もあるかもしれませんが、自分が理想とする土地に出会うために、しっかりと確認しましょう。
営業マンは、巧みな話術を使って、営業をしてきます。
会話の中で「このお客さんは、土地に関する知識があるな」と思わせることで、粗悪な物件を紹介されにくくなります。
土地に関する知識や用語については、以下の記事で解説しています。

【ステップ2】さまざまなツールを使って土地を探す

土地を探す方法は、多くありますが、おすすめの方法は、以下の4つです。
土地探しは、情報戦です。いち早く情報を手に入れた人が、土地を購入できます。
数多くの情報を手に入れることができれば、より多くの選択肢が増えるので、すべての方法を上手く活用し、自分の条件に合う土地を探していきましょう。
方法①インターネットや情報誌で探す
インターネットの不動産情報サイトや不動産会社のホームページ、不動産関連の情報誌などを利用して自分で土地を探す方法です。
インターネットで掲載している情報量は、とても多く、土地の情報を簡単に調べられるので、多くの方が最初に使う方法でしょう。
希望する土地が、どれくらいの金額で売り出されているのかを調べるときに、とても便利なツールです。
土地を探すときに使える、代表的なWebサイトは、以下のとおりです。
方法②不動産会社へ依頼する
不動産会社に行き、希望する条件を伝えて、プロの営業マンに探してもらいましょう。
インターネットを使って、自分たちで土地を探すときと違って、良い担当者に出会えれば、いろいろなアドバイスを貰えるというメリットがあります。
さらに、ホームページには掲載されていない土地情報を教えてもらえるケースあるので、おすすめの方法です。
土地の売買が得意で、希望するエリアの情報に精通している不動産会社を選ぶようにしましょう。
不動産会社同士は、情報を共有していて、約9割の情報は同じです。不動産会社へ何件も行くのは、時間と労力ががとても必要になるため、おすすめしません。
方法③建築会社・ハウスメーカーに依頼する
土地を探しているタイミングで、住宅を建築する会社が決まっているなら、とても有効な方法です。
土地探しと家の計画を、同時に依頼することができれば、土地の条件に適した間取りやプランを作成してくれるため、極端な失敗を防げたり、時間の短縮をできたりと、多くのメリットがあります。
また、建築会社やハウスメーカーは、不動産会社と繋がりがある場合があるので、いち早く情報を手に入れられます。
希望の条件を建築会社に伝えて、探してもらうだけなので、時間と労力があまりかからない方法です。
方法④希望するエリアを歩いて探す
自分たちが希望するエリアの周辺を歩いて、空き家や空き地を探し、不動産会社に調査してもらう方法です。所有者が分かり、交渉が上手くいけば、売買契約をすることができます。
ピンポイントで自分たちが住みたい場所を探せて、競争相手などもいないので、とてもおすすめな方法です。
実際に、希望するエリアを歩いて土地を探すと、以下のようなメリットがあります。
- 隣人、隣家の様子が分かる
- 日当たりがどれだけあるか分かる
- 雨のとき、どれくらい水がたまるか分かる
- 昼、夜、平日、休日などの様子が分かる
- 道路の幅や高低差などが分かる
建築会社や不動産会社から紹介された場合でも、実際に土地へ見に行かないとわからない点などがあるので、絶対に見にいくことをおすすめします。
【ステップ3】チェックポイント8選を使って候補を絞る
土地を探しだしたら、いくつかの候補がでてくると思いますが、以下のチェックポイントを使って、さらに絞り込んでいきましょう。
どの項目を重視するかは、それぞれの家庭で変わってくると思いますので「土地の探しの条件」と同様に、優先順位を決めておくことをオススメします。
それぞれ、詳細を確認していきましょう。
ポイント①交通の利便性は良いか
車を使用する場合は、道路が朝夕にどれくらい混雑するかや駅周辺に駐車場があるかなどを確認しましょう。
車を使わないときは、駅やバス停などの、最寄りの交通機関への距離を考えなければなりません。
アクセスが良い土地は、都心部で価格が高額になっているケースが多いので、予算と比較しながら検討しましょう。
ポイント②商業施設は充実しているか
生活をしていくうえで、商業施設に利用はかかせません。
以下のような施設が、充実しているかもチェックしましょう。
- スーパー
- コンビ二
- ドラッグストア
- 大型ショッピングセンター
- 飲食店
夜遅くまで開いているお店は、騒音問題や照明が明るすぎて眠れないなどのデメリットもあるので、注意しましょう。
ポイント③公共施設は充実しているか
公共施設は、商業施設より頻繁に行くことは少ないですが、自宅周辺に必要な施設です。
種類は、以下のとおりです。
- 学校
- 役場
- 病院
- 診療所
- 郵便局
- 警察署
- 消防署
- 美術館
- 図書館
近くに欲しい施設、近くに欲しくない施設について理由まで考えてみる選びやすいです。
- 学校は徒歩20分程度以内に欲しい。→子供たちが通学しやすいから。
- 消防署・警察署は近くに欲しくない。→出動時のサイレンがうるさいから。
ポイント④土地の形状と方角はどうか
一般的に正方形や長方形の土地、日当たりが南向き・東向きの土地が人気は高く、競争率も高いため、価格が高いです。
住宅を建てるときに、間取りや庭、採光など、土地を無駄にすることなく、生活がしやすい住宅を作れることができるからです。
しかし、複雑な形の土地や北向き・西向きの土地はデメリットだけがあるわけではありません。
アイディア次第では、デメリットを無くすことができ、土地を安価で購入できるケースもあります。
ポイント⑤土地の高低差はあるのか
土地が、道路より高いか低いかという点も、チェックしておきましょう。
道路より高い土地は、価格が安いのですが、擁壁工事が必要になり、費用が余計にかかってしまう恐れがあります。
また、道路より低い土地は、大雨や台風のとき、浸水することが考えられるので、盛土などの造成工事で、費用が発生する恐れがあります。
希望する土地に、予想外の工事が必要になって、費用が発生しないように、不動産会社や建築会社からもチェックしてもらうようにしましょう。
あえて、工事をすることで、以下のようなメリットを得られる場合もあります。
- 眺望が良い
- 隣人・通行人からの目線が合わず、プライバシーが確保しやすい
- 採光が取りやすい
ポイント⑥土地の境界線は明確か
購入してから、隣地の所有者とのトラブルに発展するおそれがありますので、塀や垣根などがあるときは、どちらの所有物かを明確にしておきましょう。
境界がはっきりしない場合は、不動産会社へ依頼し、売主と隣地の所有者とで境界を確定してもらいましょう。
境界が確定しているかどうかは、登記簿や確定測量図、境界標で確認できます。
また、隣の土地から、木や草などが侵入しているケースがあります。
基本的には、木が生えている土地の所有者が清掃などをしないといけませんが、現地を見に行った時点で、落ち葉などが放置している場合は、対処してくれない可能性が高いです。
毎回、掃除をするのが面倒だったり、隣人とのトラブルを避けたいという方は、そのような土地を選ばないことをおすすめします。
ポイント⑦土地の災害リスクはあるか
希望している土地に、どのような災害リスクがあるのかを確認しておくのも、とても重要です。
災害リスクが少ない土地に住んでいれば、マイホームが被害にあう確率はがとても少なくなり、安心して暮らせます。
近年、自然災害による被害がとても多く、各地でさまざまな災害が発生しています。火災保険の請求が多くなっているため、火災保険料も高騰しています。2022年頃からは、最大契約期間が5年(以前は10年)に変更されました。
災害には、以下のような種類があります。
- 地震
- 津波
- 大雨
- 台風
- 河川氾濫
- 土砂崩れ
- 竜巻
- 大雪
災害リスクは、ハザードマップという、以下のようなツールを使って簡単に調べられます。
- 重ねるハザードマップ(実際の地図に災害リスクが表示されるもの)
- わがまちハザードマップ(各市町村が作成したハザードマップを集約しているサイト)

ハザードマップは、地域ごとに色分けがしており、それぞれ災害に対してどのくらいまで想定しているかが、記載されています。
自治体が決めている緊急避難所なども確認することができるため、とても便利なツールです。
また、実際に土地を見にいったときに、近所の方へお話を聞くのも、有効な手段です。
ハードルが高いと感じるかもしれませんが、希望する土地に長年住んで来られた方の貴重な実体験を聞けるので、とてもおすすめです。
ポイント⑧土地の将来性はあるのか
選んだ土地が、10年後、20年後、30年後、どうなっていくのかも、考えておきましょう。
以下のように、さまざまな視野で、将来性を見ることが大切です。
将来的に。。。
- 廃れていくおそれはないか?周辺、店舗などが定期的に建設されているか?
- 古い住宅街なら、今後、地域活動の負担が、自分たちへ過度に来ることはないか?
- 30年以内に来ると予想されている巨大地震の影響で、津波が来るおそれがある地域ではないか?
まとめ
今回は、土地を探して選んで行く方法を3ステップで解説しました。
各ステップは、下記のとおりです。
土地を探して選ぶためのポイントについて、解説しましたが『100点満点の土地はほぼ存在しない』ということを覚えていてください。
すべての希望を叶えるための土地を探していたら、何年かかるかわかりません。
それぞれの土地に、メリット・デメリットがあるので、家族で話し合いをして、優先順位を決めながら、家族のニーズにぴったりな土地を選んでいきましょう。
しっかりとチェックしていけば、自分たちの理想に近い土地と、出会う確率がかなり高くなります。
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