「用途地域」とは「住居系」「商業系」「工業系」合わせて13の地域の総称です。
用途地域ごとに“建築できる建物”と“建築できない建物”が明確になっているので、建物が建築可能かどうかを、あらかじめ知ることができます。
地域によって様々な制限がありますので、用途地域をしっかりと把握し、自分が理想とする住宅が建築できるか確認していきましょう。
この記事を書いている人は、30歳のときに土地探しをして、新築住宅を建てた、ごく平凡な夫婦です。
家づくりをしたからこそ分かる、家づくりの重要ポイントや誰もが失敗しがちなポイントなどを、マイホームを検討している方に向けて、優しくお伝えします!
用途地域とは
「用途地域」とは、都市計画法の地域地区のひとつで
計画的な市街地を形成するために、用途に応じて13地域に分けられたエリアのことです。
なぜ13地域に分けるのかというと。。。
例えば住宅のすぐ隣に商業施設や工場、学校や公園が混在して建築しているとします。
騒音、排気ガスなどの公害、日当たりなどの影響により、住宅側としては住みにくい環境になります。
逆に工場や商業施設側としては一般車両が頻繁に通っているため、渋滞などが発生して作業効率の低下が懸念されます。
このように様々な建物が混在して建築すると、お互いにリスクが発生し、この地域に住みたいという人も、工場などを建てたいと考える企業もどんどん減ってしまいます。
そこで国は、都市の健全な発展や地域の住環境を整えるために、エリアを13地域に分けました。
※おおむね5年に一度、全国一斉に用途地域は見直されます。
用途地域の種類
用途地域は、以下の3種類に分けられ、さらに細分化されています。
- 住居系用途地域(8地域)
- 商業系用途地域(2地域)
- 工業系用途地域(3地域)
地域ごとに建築できる用途、容積率、建ぺい率、高さ制限などの建築規制を設けることによって、様々な建築物が混在しないようにしています。
最初に言っておきますが、住宅が建築できないのは(13)工業専用地域です。
その他の地域は制限などをクリアすれば住宅は建築する事ができますので、参考にしてください。
それでは具体的にどんな用途地域があるのか、それぞれ見ていきましょう。
住居系用途地域(8地域)
最初に住居系の8地域を見てみましょう。この地域は要件を満たせば、どこでも住宅を建てることができます。
(1)第一種低層住居専用地域
低層住宅のための地域です。建てられる高さが10mや12mなどに制限されています。一戸建てだけでなく低層マンションも建てられます。一方店舗は床面積の合計が50m2以下であれば可能ですが、この規模では一般的なコンビニは建てられません。建物の種類としては、一戸建て住宅のほか賃貸住宅やマンション、小中学校が建てられます。
(2)第二種低層住居専用地域
主に低層住宅のための地域です。高さの制限は第一種低層住居専用地域と同様です。一方、建物の種類は床面積150m2までの店舗が可能になるため、第一種低層住居専用地域で可能な建物に加え、コンビニや飲食店が建てられます。
(3)第一種中高層住居専用地域
中高層住宅のための地域です。建物の高さ制限はありません。建物の種類は2階建て以内&床面積が500m2以下の店舗が建てられるほか、幼稚園~大学などの教育施設、病院、図書館、神社やお寺などが建てられます。
(4)第二種中高層住居専用地域
主に中高層住宅のための地域です。建物の種類は第一種中高層住居専用地域で可能な建物に加えて、2階建て以内&床面積1500m2以下の店舗や事務所が建てられます。
(5)第一種住居地域
住宅の環境を守るための地域です。住宅以外は上記の第一種・第二種中高層住居専用地域で可能な建物に加えて、3000m2までの店舗や事務所、ホテルが建てられます。
(6)第二種住居地域
主に住宅の環境を守るための地域です。第一種住居地域で可能な建物に加えて、ボーリング場やスケート場、また床面積10000m2以下ならパチンコ屋やカラオケボックスなども建てられます。
(7)準住居地域
道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。国道や幹線道路沿いが指定されることが多く、第二種住居地域で可能な建物に加えて、車庫や倉庫、作業場の床面積が150m2以下の自動車修理工場、客席部分200m2未満の劇場や映画館などが建てられます。
(8)田園住居地域
農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域です。建物の制限的には(1)第一種低層住居専用地域に近いです。住宅のほか幼稚園~高校までの教育施設や図書館、病院、神社・寺院などが建てられるほか、2階建て以下の農産物直売所や農家レストランも建てられます。
商業系用途地域(2地域)
続いて商業系の2地域を見てみましょう。商業系の地域では商業施設などが優先されますが、この地域も住宅を建てることもできます。
(9)近隣商業地域
まわりの住民が日用品の買い物などをするための地域です。(7)準住居地域よりさらに制限が緩和され、店舗や事務所、劇場や映画館などに床面積の制限がありません。また床面積150m2以下で危険性がなく、環境を悪化させる恐れがない工場や、床面積300m2以下の自動車修理工場も建てられます。
(10)商業地域
近隣商業地域よりさらに緩和され、銀行や映画館、飲食店、百貨店などが集まることを目的とした地域です。風俗施設や小規模な工場も認められています。ターミナル駅の周辺部などが指定されることが多いです。
工業系用途地域(3地域)
最後に工業系の3地域を見てみましょう。これらは主に工場などが優先されますが、(13)工業専用地域を除いて住宅を建てることができます。
(11)準工業地域
主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。危険性や環境悪化が大きい工場を除き、ほとんどの工場が建てられます。住宅やホテル、ボーリング場、映画館、病院、教育施設なども建てられます。
(12)工業地域
どんな工場でも建てられる地域です。住宅や店舗も建てられますが、ホテルや映画館、病院、教育施設などは建てられません。
(13)工業専用地域
工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、住宅は建てられません。
このように、用途地域は地域別(住宅が建てられるのは12地域)に街の景観やにぎやかさ、利便性などが異なります。まずは自分の理想とする暮らし方を検討し、それに合う用途地域かどうか検討するようにしましょう。
まとめ
「用途地域」は13地域に分けられており、ほとんどの地域で住宅が建てられることがわかりました。
しかし、各地域で細かな制限がありますので、
【これだけ】サイト・アプリで土地探しをする時のチェックポイント11選
などを見た後に、自分で希望の土地を見つけたら、
GoogleやYahoo!で「◯◯市 用途地域」と検索をして、用途地域の判明をして下さい。
用途地域が判明したら、再度、GoogleやYahoo!で検索を行って、細かな制限を確認してみましょう。
制限によっては自分が理想とする住宅が建築できない場合もありますので、工務店やハウスメーカーと打ち合わせをしっかりと行いましょう。
まずは、「経験者が語る土地の探し方4選|土地の選び方6選」を参考にして頂き、
自分の理想とする暮らし方を考えて、それに合う用途地域かどうかを検討するようにしましょう。
コメント
コメント一覧 (3件)
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